カテゴリ: 青春の海

 「ほお、なかなかいい体してるじゃないか。だが俺に勝てるかどうかは別だがな。さあ、どっからでもかかってこい!」pizza「うおおおー!」

 俺「パン粉さん、あいつ勝てますかね?」パン粉「ん?負けるだろ?あいつ素人だろ?」俺「もしかしてパン粉さんって元相撲部か何かですか?それでそんなに自信があるんですか?」パン粉「いや、俺も素人だよ。」俺「あ、そうなんですか。。。パン粉さん、どうやってあいつに勝つつもりですか?」パン粉「まあ見てな。おっ、終わったようだぞ。あいつ口ほどにもなかったな。」俺が土俵に目をやるとpizzaが目を回して倒れていた。

 パン粉「さぁ~て、いっちょもんでやるか。」そう言うとパン粉さんは土俵に上がった。のぼぼんの山「お前なんぞ右手だけで十分だ。さあ、どっからでも・・・」のぼぼんの山がそう言いかけた瞬間、パン粉さんが物凄いスピードでのぼぼんの山にぶつかった。しかしのぼぼんの山はビクともしなかった。のぼぼんの山「蚊に刺されたかと思ったぜ。こんなんで俺様に・・・うわ!なんだこの匂いは!」パン粉「喰らえ!ワキガン!」パン粉はそう言うと両腕を上げ脇の匂いを開放した。思わず鼻をつまむのぼぼんの山。パン粉「勝機!」そう言ってパン粉はのぼぼんの山の右足を両手で思い切り持ち上げてのぼぼんの山をひっくり返した。

 ザ・眼鏡「まさか・・・のぼぼんの山が負けるなんて・・・そんな馬鹿な!」パン粉「約束だぜ。これで俺達は自由だ。」その場で寝た振りをするザ・眼鏡。俺「さすがワキガオー!じゃなくてパン粉さん!すげーや!」興奮する俺。パン粉「じゃあそういうことだ。約束は守ってもらうぜ。じゃあな。」そう言ってパン粉さんは山を降りようとした。ニトロ「待て!」静止するパン粉。ニトロ「確かお前らが約束したのはザ・眼鏡とだったよな。俺やプッチ・ザ・神父とはしていないはずだ。」パン粉「確かにそうだな。で、お次はどっちが俺のお相手をしてくれるんだい?」プッチ・ザ・神父「隊長!ここは私にお任せを!」ニトロ「よし!お前に任せた!お前の魔法で奴等を叩き潰せ!」

 こうして俺達とプッチ・ザ・神父との戦いが始まった。

 「おう!」とは言ってみたものの、相手はのぼぼんの山。束になったって勝てっこない。しかし、パン粉さんは何やら自信があるようで、不敵な笑みを浮かべ ながら仁王立ちしていた。パン粉「おい、そこの眼鏡!相撲勝負にしないか?俺達がもし相撲勝負でのぼぼんの山に勝ったら俺達は晴れて自由、のぼぼんの山が 俺達に勝ったら俺達は全員素直にお前らに従う。どうだ?」ハサン「何言ってんだパン粉!奴は現役の横綱だぞ!勝ち目はないじゃないか!」パン粉「まあ俺に 任せとけよ。俺にはちょっとした秘策があるんだ。」ザ・眼鏡「相撲勝負だと?笑わせてくれるね。クスッ、まあいいだろう。僕の計算上のぼぼんの山が負ける 可能性は0.01パーセントだ。」パン粉「決まりだな。おい!この山をもうちょっと登ったところに土俵がある。俺が案内するからお前らついて来い。」そう 言って、パン粉はすたすたと山を登り始めた。俺達は不安げにパン粉さんの後を追った。

 確かに、パン粉さんの言うとうり5分程山を登ると土俵があった。その土俵は何年も使われていない様子で、土俵を囲っている縄が砂で隠れていた。パン粉さ んは転がっていた箒で、土俵の上の砂を払い始めた。もうひとつ箒が転がっていたので、俺もパン粉さんを手伝った。「パン粉さん、相撲勝負なんか申し込ん じゃって大丈夫なんですか?」パン粉「まあ俺に任しとけ。俺が奴に勝つからお前らはどーんと構えてろ。」俺「構えてろったって・・・。」俺達は掃除を終 え、一列に並んだ。俺達のうち誰か1人でものぼぼんの山に勝てば俺達は自由だ。

 ザ・眼鏡「よし、のぼぼんの山!全員倒して来い!」のぼぼんの山「お前ら、本当にこの俺様に勝てると思っているのか?まあいい。死にたい奴から上がって 来い。」パン粉が土俵に上がろうと立ち上がった。すかさずpizzaも立ち上がった。「俺が行く。パン粉さん、あんたじゃ無理だ。そんなしょぼい体じゃ勝 てっこない。相撲って言うのはな。太ってないと勝てないんだ。見ろ俺の体を!毎日ピザばかり食べているおかげでこのとうりさ。」pizzaはまん丸と太っ た体を誇らしげにパン粉に見せた。パン粉はクスッと笑い「そうだな。」と言ってpizzaに行かせた。pizzaはニヤッとして土俵に上がった。 pizza「俺が相手だ!かかってこいや!」俺達の運命をかけた相撲勝負が始まった。

 秘密基地までも戻ると、辺りが怪しい霧に包まれていた。霧の奥に1台の車が止まっているのがうっすらと見えた。車にはサタンさんと見たことのない男が3人乗っていた。その内の1人が車から出てきた。謎の男「おいおい、俺達を待たせるた~。お前ら死んだなおい。」その男に続いて残りの2人の男達も降りて来た。霧が晴れてはっきりと奴等の姿が見えてきた。3人は謎のポーズを取っていた。真ん中の男は下を向いてしゃがんでいた。残りの2人はポケットに手を入れ、背中合わせに立っていた。真ん中の奴が急に顔を上げて座ったまま奇声を上げた。真ん中の男「キヒェェェェイイ!秋田のニトロ爆弾とは俺のこと!ニトロ特選隊隊長!ニトロォオ!」すかさず右の男が奇声を上げた「キヒェェェェイイ!神父・ザ・マジックとは俺のこと!ニトロ特選隊隊長補佐!プッチ・ザ・神父!」そしてついに左の眼鏡の男まで奇声を上げた。「キヒェイ!チャオ~ウ!賢い眼鏡はロン毛だよ!ニトロ特選隊隊長補佐!ザ・眼鏡!」3人「ニトロ特選隊!参上!」

 こいつらは一体・・・。塾「ニトロさん、久しぶりですね。相変わらずお元気そうで。」ニトロ「久しぶりだな、塾。今日はお前らを連れ戻すためにやって来た。」塾「分かってます。」パン粉「あいつら一体何者なんだ?」塾「ニトロ特選隊。昔、まだ父が授業をしていた頃の生徒達なんですが、全く言うことを聞かなくて除籍処分になったんです。でも彼等、死神界を気に入ったらしく、ウェザーランドで食っちゃ寝の生活をしているんですよ。簡単に言えば死神界のニートです。」pizza「死神界にもニートっているんだな。おい!ニート共、さっさとかかってこいやw」ニトロ「そこの若いもん、威勢だけはいいなw」pizza「ああ!?かかってこいや!」ニトロ「ザ・眼鏡、お前の力を見せてやれ。」ザ・眼鏡「分かりました。おい!そこの威勢のいいの。調子に乗ってると痛い目にあうぞ。」pizza「黙れニートがw」塾「彼を甘く見ないほうがいい。彼は死神界でも髄一の頭脳の持ち主だ。」ザ・眼鏡「君達を倒すために今日はある男を連れてきた。来い!!のぼぼんの山!」ザ・眼鏡がそう言うと、奥から巨体の男がのっしのっしと現れた。

 そいつは紛れもなくのぼぼんの山だった。本名はのぼぼん。日本相撲協会の横綱だった。まんだむ「ほ、、本物だ!かっ・・・勝てっこねぇ!に、逃げるんだ!みんな殺されるぞ!」俺が一目散に逃げようとすると、塾さんが俺の手を掴んだ。「逃げちゃ駄目だ。逃げても何も解決しない。戦うんだ!お父さんを救うんだろ?」「うるさい!勝てっこないものは勝てっこない!逃げないと!」パンッ!パン粉にぶたれた。「お前な、男っていうもんはな、どうしても戦わなきゃいけない時ってもんがあるんだよ。それが今だってどうしてわかんねぇんだ!所詮河童の子は河童だな。」まんだむ「お・・・俺は逃げねえ。俺は・・・俺は戦う!戦うんだ!!」パン粉「よし!それでいい。気合入れていくぞ!」まんだむ「おう!」

 その頃ウェザーランドでは。車掌「ぐふふさん、サタンを連れてきました。」ぐふふ「よし、遠隔装置を取り付けろ。」車掌「はい。」車掌はサタンの金玉に、例の遠隔装置を取り付けた。こうして、サタンは再びぐふふの操り人形となった。ぐふふ「サタン、奴等は今どこに居る?」サタン「恐らく、奴等は今、パン粉の高校時代の秘密基地に居ます。場所はやつが高校時代に通っていた学校の裏山です。」ぐふふ「よし、ではお前と車掌はそこへ行って、残りの奴等を一刻も早くここに連れて来い!」車掌「・・・ぐふふさん、あいつらに行かせてみてはどうでしょうか?」ぐふふ「あいつら・・・?ああそうだな。あいつらを派遣することにしよう。おもしろいものが見られそうだな。ぐふふ。」

 一晩明けて俺達は眼が覚めた。pizza「あ~、腹が減ったぜ。ピザが喰いて~。」ハサン「我慢しろ。飯はまず作戦を立ててからだ。」塾「これからどうしましょうか?ねえパン粉さん。」パン粉「まあ相手の出方次第だな。まず、あいつらがこれからどう出てくるかを考えよう。」その時、俺は親父のことを考えていた。親父はあの後一体どうなったのだろうか・・・。塾「このまま逃げていてもらちが明かない。恐らく、父はサタンさんから私達の居場所を聞き出して、また車掌を派遣して来ると思います。それを向かい打ちましょう!」まんだむ「そうですね。そうしないと父は救えないし。」pizza「じゃあ作戦も決まったことだし飯にしようぜ。近くにうまいピザ屋があるからそこで朝食をとろう。」俺達はpizzaおすすめのピザ屋で朝食を取った。

 俺達は店の一番隅のテーブルを陣取った。pizza「ここのピザは最高なんだぜ。」パン粉「俺はピザよりパン粉が食いたいぜ。」皆が笑った。pizza「それにしてもあんたが死神だったなんてな。思いもしなかったぜ。しかし死神の奴等は馬鹿だな。特にあのデンマとか言う奴。あのイカサマを魔法だって完全に信じてたぜ。」俺は自分も途中から信じてたんだがな・・・とは口が裂けても言えなかった。まんだむ「そういえばデンマは今どうしてるんですか?」塾「彼は今、私の代理で先生をやっています。」まんだむ「あいつが先生か。。。」想像するとちょっと可笑しかった。pizza「ちょっと待て。先生?もしかしてあのイカサマを他の死神に教えてるのか?」塾「そうです。」pizza「あいつ、あのイカサマを他の死神に教えてるのかよwよくもまーそんな馬鹿馬鹿しい事やってられるな。w」塾「でも誰かがやらないといけないんです。」塾は自分とデンマをかばうように言った。pizza「死神界か。でもなんだかおもしろそうだな。馬鹿なことやってお金もらえるんだから。」まんだむ「そうでもないよ。カジノに行ったらしょっちゅうイカサマだと言われて殴られるんだから。」pizza「そうだな。お、ピザが来た。さ、食おうぜ。」それから俺達はピザを食い終え、裏山に戻った。

「死ねや!このオタンコナス!」親父はそう叫びながら車掌に突っ込んだ。車掌はニヤッとして立ち止まり、その場でくるくると回り始めた。車掌は「ムーンライトエンジェルビーム!」と叫びながら親父にステッキを向けた。ステッキからは赤い閃光が走り、その光は親父に直撃した。親父はとぼとぼと車掌の方に歩み寄り、車掌の目を見て、両手を大きく広げてこう言った。「車掌たんマジ天使。車掌たんマジ天使。」この親父の謎の行動はいつまでも止むことはなかった。俺が親父に駆け寄ろうとすると、pizzaの右腕が俺を止めた。「あいつはもうだめだ。諦めろ!それよりはやく逃げるんだ!」「駄目だ!親父をあのままにはしておけない!」俺はpizzaの腕を振り払い、親父の側へ駆け寄った。「親父!目を覚ましてくれ!親父ー!こんなのあんまりじゃないか!せっかく自由になれたのに・・・こんな事って。」俺は親父の前で泣き崩れた。そして親父は、俺が何を言っても車掌の目を見て「車掌たんマジ天使。車掌たんまマジ天使。」と、笑顔で繰り返すだけで正気をとり戻してはくれなかった。車掌は「お前もお前の親父のようにしてやろうか?」と言ってご自慢のステッキを俺に向けた。俺は必死で逃げた。車掌は「俺は天使だー!」と叫びながら俺達を追ってきた。しかし、奴はオタクだったので体力はなく、俺達は逃げ切ることが出来た。そして俺達はパン粉さんの秘密基地に到着した。夜もふけてきていたので、俺達はそこでテントを張って寝ることにした。俺達が疲れきって座り込んでいると、塾さんがあの車掌について話し出した。

 「あれからもう10年か。私はうっかり彼のことを忘れていましたよ。もう10年も前の話です。さきほど私達を追いかけてきた彼は車掌と言う男です。本名は分かりません。彼は子供の頃から天使になりたがっていました。でも天使なんてものは存在しない。それでも彼はいつまで経っても諦めようとはしませんでした。そして彼は天使になれるように毎日空に向かってお祈りをしていました。「どうか天使になれますように。どうか天使になれますように。」と。ある日、それを見ていた父があの人を利用しようと考えたんです。そして、ネジネジと言う男を操作して殺しました。ネジネジさんは毎日彼の家の前で「オタクバンザーイ。」っと叫んだり、迷惑メールを送ったりしていました。ネジネジさんはメールで、「ファイナルクソメガネ乙。」と、日に1000件ほど送っていました。よほど辛かったのでしょう、彼はノイローゼになって自殺しました。そして父みずから彼を迎えに行きました。彼をウェザーランドへ連れて行った後、彼を生き返らせて、あのステッキを渡したんです。その後、彼は父を神だと仰ぎ、父のしもべとなりました。彼は本当は誰よりも純粋な人なんです。」塾さんは話を終えた。しかし、話を終える頃にはみんな深い眠りについていた。

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